向いている人とは?

音楽療法は高齢者の認知機能向上などのため、介護現場で必要とされています。音楽療法士になるには、どのような人が向いているのでしょうか。まず一番大切だと言えるのは、音楽を通して人とコミュニケーションすることが好きだということです。音楽は人の心を動かします。一曲の音楽から生きる幸せや、深い悲しみを感じることもあるでしょう。そういった、音楽を通した感動を誰かと共有したいと思える人は、音楽療法士に向いていると言えます。

次に、他人を思いやる心を持っている人が挙げられます。介護の現場では、想定外のことが起こるものです。音楽療法のセッションでも、自分のプラン通りに進まないことがあるかもしれません。そんな時に苛立たず、今何をするのが相手にとって最適だろうかと瞬時に考え、臨機応変に対応するスキルも必要です。そのスキルを身につけるためには、相手の心に寄り添って物事を考えられる優しさが非常に大切です。

最後に、ギターやピアノ、つまり和声楽器の演奏技術を持っている人は向いている可能性があります。音楽療法では、自分で楽器を演奏しながら歌うことが多いです。リトミック的なアプローチをするために、即興演奏が必要な場面もあるでしょう。そのためには旋律楽器ではなく、1人で複数の音を奏でることができる和声楽器の演奏技術が求められます。基礎的な技術を持っていれば、伴奏付けや移調など、音楽療法に必要な演奏スキルをスムーズに習得できるかもしれません。